果てなき冒険者「無人探査機ボイジャー」から届いた“異常信号”、太陽系は“巨大な壁”に閉じ込められている

2023年11月。宇宙の果てから、正体不明の信号が地球に届きました。それを送ってきたのは、人類が48年前に送り出した宇宙探査機・ボイジャー1号。

しかし、その信号はNASAでも解読できない意味不明なコードでした。その上、この異変が起きたのは、ボイジャーが太陽系の“火の壁”という、私たちがまだ一度も立ち入ったことのない領域に突入した、まさにその直後のことでした。

 

ボイジャーは、この信号で私たちに何を伝えようとしていたのか?
それとも、“誰か”がボイジャーを通してメッセージを送ってきたのか?
そして、ボイジャーが発見した、太陽系を包んでいる「巨大な火の壁」とは一体何なのか?

 

今回は、NASAを困惑させたボイジャーの異常についてお話ししていきたいと思います。ぜひ最後までお付き合いくださいね。

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ボイジャー

1977年の夏の終わり頃、NASAはフロリダ州のケープ・カナベラル空軍基地からボイジャー1号と2号を打ち上げました。

2機の探査機のメモリの容量は現代のスマートフォンで撮った写真1枚よりも小さく、今となっては、この探査機は間違いなく時代遅れのものですが、そんな骨董品たちの旅が、やがて人々の宇宙に関する常識を覆すことになるとは、誰も予想していませんでした。

 

最初の目的地…木星へ

同年12月、ボイジャー1号は小惑星帯を通過し、人類史上初めてその領域を越えた探査機となりました。そして2年にわたる航行を経て、ボイジャー1号は最初の目的地である木星に到達しました。その旅の距離はおよそ7億キロにも及び、4か月後にはボイジャー2号もそこに到達します。

2機の探査機は、これまで人類が見たことのなかった木星の姿を写真に収め、私たちに新たな発見をもたらしました。

木星には巨大な大気嵐や環があり、そのスケールは地球とは比べものにならないほど壮大です。中でも有名なのが「大赤斑」と呼ばれる巨大な渦で、その中に地球がすっぽり入るという事実を初めて知ったとき、科学者たちは息を呑みました。

しかし、これはまだ“序章”にすぎなかったのです。

 

ボイジャーが撮影した木星の衛星である「イオ」の表面には、なんと活発な火山活動の痕跡が多数確認され、人類が地球以外において“現在進行形”の火山活動を観測したのはこれが初めてでした。

この発見は太陽系における地質活動の理解を大きく覆す出来事であり、惑星科学の歴史上、重要な転機となりました。

 

そしてもう1つの衛星の「エウロパ」では、氷に覆われた表面に無数の亀裂が走っており、その下には液体の海が存在するかもしれないという示唆が得られました。

もしその海の中に生命が存在していたとしたら、ボイジャーの旅は単なる観測ミッションではなく、地球外生命体との接触への第一歩だったということになるかもしれません。

今回の発見によって、エウロパは特に地球外生命”が存在する可能性が高い天体として注目されるようになり、現在でも科学界の重要な探査対象です。

 

ボイジャーの見た土星

木星での探査を終えたボイジャーは、1980年に次なる目的地である土星へと到達します。

土星といえば、その美しい環が特徴ですが、ボイジャーが見せてくれた土星の姿は、それまで誰も想像したことがないほど圧巻でした。

 

科学者たちは、土星には6つの環があると考えていましたが、ボイジャーの観測によって、それらは実は数百にもおよぶ細かな“ミニ・リング”が複雑に重なって構成されていることが判明しました。

さらに、ボイジャーはそれまで未発見だった第7の環にあたる存在も明らかにしたほか、特に注目を集めたのは、土星の環に現れる奇妙な物体の発見でした。

 

不可解な物体

地球に送られてきた画像には、細長い物体の姿が環に映っており、中には地球の直径ほど長いものも確認されました。

不可解なのは、物体の運動軌跡から考えて、それらがまるで重力の法則を無視して動いているように見えたことです。

 

これは“何かがいる”と初めて多くの研究者が感じた瞬間でしたが、今なおその正体は解明されていません。ちなみにこれらの物体についてはこちらの記事で詳しく語っていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

 

 

未知の領域へ…

太陽系の外へ …ボイジャー1号

土星の観測を終えたボイジャー1号は進行方向を変え、太陽系の外へと向かいます。

NASAの試算によれば、このまま進めば太陽系の境界を越えるまでに約32年かかると予測されていました。

もっとも、当時の「太陽系の境界」という概念はあくまで仮説にすぎず、実際には2023年のボイジャーの観測によって、その定義が見直されることになりました。ただそれでも、当初想定されていた「太陽系の境界」にあたる領域は非常に特殊で、ボイジャー1号の“異常”もそこから始まったのです。

この領域についてはまた後ほど詳しくお話しします。

 

太陽系で最も遠い惑星へ…ボイジャー2号

一方のボイジャー2号は、土星での任務を終えた後、その先にある天王星と海王星へと向かいました。

 

 

揺れる穏やかな星ー天皇星

1986年1月、天王星に到達したボイジャー2号は、これも史上初の試みとして、近距離からこの惑星を観測しました。

 

天王星も主にガスで構成された惑星であり、同じくガス惑星である木星と土星と同様に激しい嵐が観測されると予想していた科学者たちにとって、ボイジャー2号が見せた天王星の姿は意外なものでした。なんと、そこに広がっていたのは静かな雲の層で、天王星の大気は非常に穏やかだったのです。

 

さらにそれよりも衝撃的だったのは、ボイジャー2号の観測によって、天王星の磁場がその自転軸から59度も傾いていて、磁極の位置と回転軸が大きくずれているうえ、その磁場自体も不安定なコマのように揺らいでいる状態にあることが分かりました。この異常な磁場構造は、従来の惑星磁場に対する理解を根本から揺るがすものでした。

 

このときから、ボイジャーは、「宇宙の法則にも例外がある」というメッセージを受け取り始めていたのかもしれません。

 

 

美しく荒れ狂う星ー海王星

地球を出発してから12年後の1989年、ボイジャー2号はついに太陽系で最も外側に位置する惑星、海王星に到達します。

 

その間近から撮影した写真には深い青色に輝く美しい姿が映っていました。

ただ、その青は地球の海とは異なり、主に大気中に含まれるメタンガスによって生まれた色です。そして、この青い惑星の穏やかな見た目の裏には、ボイジャーでなければ見つけられなかった“暴力的な宇宙”の顔が隠れていたのです。

なんと、海王星の大気には時速2000キロにも達する、地球上のどのハリケーンよりもはるかに猛烈な風が吹き荒れていたのです。しかも、ここの平均気温は約マイナス220度で、まさに、極寒の地獄とも言える環境です。

こうして、ボイジャー2号は海王星の探査を終え、ボイジャー1号に続いて、太陽系の果てを目指す旅に入りました。

 

2機の探査機が辿ったそれぞれの惑星では、人類の想像を超える様々な現象が観測され、このプロジェクトは大きな成果を上げたと言えます。

しかしその先で2機を待ち受けていたものこそが、真の“未知”だったのです。

 

謎のメッセージ

2023年11月14日、NASAの現場には緊張が走りました。

この日、ボイジャー1号が突如として、二進数の意味不明なデータを送信し始めます。

 

0と1のメッセージ

技術チームはボイジャーから届いた信号に“何らかの意味”が込められているのではないかと思いましたが、その中身を解読することができませんでした。

そしてもう1つ不可解なのは、ボイジャー1号が「セーフモード」に切り替わらなかったことです。というのも、2機のボイジャーは何らかの故障があった場合、NASAが調査や修復を実施しやすいように、自動的にセーフモードに移行するよう設計されています。

今回のような“解読不能なメッセージ”の送信は重大な故障が疑われるべき挙動であるにもかかわらず、なぜかボイジャー1号はセーフモードに入らず、異常なデータを送り続けていました。

これは探査機自身が、「自分は正常に動作している」と判断したことを意味しますが、NASA側はやはり受け取ったデータを解読できません。

それまでいろんな故障を経験してきたNASAのエンジニアたちにとっても今回は前例のないケースでした。

 

見えない壁

こうして、NASAは慎重にボイジャー1号の状態を調査し始めました。

彼らはあらゆる可能性を検証し、約5か月かけてやっと解決方法を見つけ、2024年4月に地上からコマンドを送り、ボイジャー1号のメモリ領域に該当するコードをリセットしたことで、やっと通信を正常に戻しました。

しかし、問題を解決したとは言え、原因が判明したわけではありません。NASAにはいくつもの疑問が残りました。

 

なぜボイジャー1号は突如として解読不能なメッセージを送ってきたのか?

そしてなぜボイジャー自身はそれを故障だと判定しなかったのか?

 

一部の科学者は、ボイジャー1号がこの“解読不能な信号”を発信し始めたタイミングに注目しました。発信の直前に、ボイジャー1号はかつて「太陽系の境界」と考えられた領域を通過しています。そこは、太陽から吹き出す太陽風と、星間空間から流れ込む宇宙線が正面からぶつかり合い、見えない“壁”のような衝突層を形成している領域です。

この“壁”は、太陽系全体を包み込むかのように存在しており、従来は「この壁を越えたら、そこから先はもう太陽系ではない」と考えられていました。

そして、この領域を超えた途端、ボイジャーから送られてきた二進数のメッセージが解読不能になり、一方でそれは故障と判断されなかったという事実があります。

 

このことから、問題はボイジャーではなく、そこの宇宙空間にあるのではないか?と一部の科学者は考えました。

それまで、ボイジャーは「イオ」の火山、「エウロパ」の海、土星の環にある奇妙な物体、天王星の傾いた磁場などを発見しました。それらはすべて、「宇宙には私たちの知らない法則がある」という小さな兆しであり、そして今回、ボイジャーはついにその“法則の外側”へ足を踏み入れてしまった、そのように解釈できるのかもしれません。

 

異なる法則領域

現在の知識レベルでは、宇宙のどのエリアでも物理法則は通用するというのが科学の大前提です。たとえば、重力の法則や光の速度、時間の進み方などは、宇宙のどこに行っても同じように働くと信じられています。

しかし、もし事実はそうでないのであれば、今回のエラーメッセージの原因は、ボイジャー1号が異なる法則が支配する領域に入ったからだと考えることができます。

その領域では、これまでの宇宙空間では正常に機能していたコンピュータやセンサーも、予測不能な影響を受ける可能性が出てきます。それは探査機自身には故障と判別できない程度の“ズレ”にとどまりますが、結果として、地球側にまったく意味をなさない信号を送り続けることになります。

では、この“ズレ”の正体は何なのか?

 

考えられる可能性

ひとつの可能性は、時空構造そのものの歪みです

光の屈折や信号の伝達が、太陽系内とは異なる法則で変調されているとすれば、送信したデータと受信したデータの間に大きな食い違いが生じると考えられます。

また別の可能性として、ダークマターやダークエネルギーといった未知の成分が密集している領域に入ったことで、ボイジャーのシステムが部分的に干渉を受けたということもあり得ます。

さらに、この領域での話を超えて、数百光年先やもっと遠い場所では、想像もつかない物理法則の変化が生じる可能性もあります。もし本当にそうであるのなら、私たちが思っている以上に太陽系の外は複雑で、単純に“宇宙の別の場所”というだけでは済まされない可能性も示唆されます。

ただ一方で、同じくこの空間にたどり着いているボイジャー2号には、送信データの異常は起きていません。

これを含めて考えると、もう1つの仮説が生まれます。

 

何者かによる送信の可能性

実は、NASAが送られてきた2進数コードの解読を試みたところ、当初は単なる意味不明なノイズと思われていたそのデータに、ある一定の規則性があることに気づきました。

データは正確な間隔で発信されており、1回の送信につき128ビットの2進数データが含まれていました。このようなきっちりとした周期性は、自然界に見られるノイズ、たとえば宇宙線や太陽風による電磁干渉などにはほとんど見られない特徴で、どちらかというと、何らかの規則に基づいた暗号のように見て取れます。これらのことから、この信号は何者かがボイジャーの通信機能を借りて送ってきたものではないか、とも言われ始めました。

 

有名な話ですが、2つのボイジャー探査機には、人類からのメッセージが収められた「ゴールデンレコード」が搭載されています。

これは、仮に宇宙のどこかで知的生命体に発見された場合に備え、人類の存在や文化、言語、音楽などを伝える目的で制作されたもので、金メッキが施されたアナログレコード盤に音声や画像が収録されています。

このレコードによって、ボイジャーは単なる観測機器ではなく、人類という存在そのものを伝える“メッセンジャー”としての役割も担うことになりました。

 

しかし、もし本当にそれを誰かが拾ったらどうなるのでしょうか?

私たちが夢見る“出会いの希望”は、彼らにとって“排除すべき脅威の情報”にならないのでしょうか。

 

そいうSF的な発想から、もし今回の不可解な信号が、この“メッセンジャー”に対する「誰か」からの返答だとしたら、彼らはボイジャーの通信機能を“間借り”する形で、地球に向けて何かを送り返してきた、と推理することもできます。

この方法であれば、確実に人類にメッセージを届けることができるうえ、発信源を特定されるリスクもありません。

 

実際、私たち人類はこれまで宇宙に向けてたくさんのメッセージを発信してきました。ですので、もし宇宙に他の文明が存在し、同じように外部との接触を意識しているとすれば、ボイジャーのような遠隔探査機に暗号化されたデータを送り込むのは、自然なアプローチだと言えるでしょう。

ただし、こうした行動が友好的な意図に基づいているとは限りません。私たちが「未知の文明も同じように交流を求めている」と思い込んでいるのなら、それはあまりにも人類中心的な発想です。

 

SF小説『三体 (ハヤカワ文庫SF)』の中で、「暗黒森林理論」という「なぜ人類は宇宙文明を見つけられないのか」を解釈する仮説が提唱されています。

暗黒森林理論の説によれば…

宇宙とはまるで暗い森のような場所であり、そこでは、銃を構えた狩人のように、数多くの文明が静かに身を隠しています。

ほとんどの高度な文明は、自分の存在を他者に知られた瞬間、どこかにひそむハンターに消されるかもしれないという共通認識を持っており、「沈黙こそが最善の戦略」という行動指針で、どの文明もできるだけ自身の活動の痕跡を隠すようにしています。逆に、もしほかの文明の存在を発見した場合、それはいずれ自身にとっての脅威になる恐れがあるため、消せるものならなるべく早く消してしまおうと行動するわけです。

この暗黒森林理論は非常に考えさせられる仮説で、実際に数々の議論を引き起こしています。その深掘りは『真実の目』メンバーシップ限定の動画コンテンツでお届けしていますので、気になる方はチェックしてみてください。

■YouTubeチャンネル『真実の目』

 

さて話を戻しますが、暗黒森林理論が提示した前提に立つならば、ボイジャーの存在そのものが極めて危険な“自己の露出”とも言えます。

探査機自身の存在もそうですが、搭載されたレコードの情報から、地球の場所やそこにいる人類の情報まで特定できます。

そして、あの解読不能な信号はそもそも私たち人類に向けたメッセージではなく、狩人が木に刻むマーキングのように、“ここに地球という文明がある”という痕跡を残すためのシグナルだった可能性も考えられます。

あるいは逆に、「これ以上、深宇宙へと進むな。自らの存在を晒すな」という、誰かが送ってくれた善意の警告なのかもしれません。

しかし結局のところ、信号が解読できない現状ではいろいろと推測することしかできませんが、いずれにしても、果たして人類は自らの存在を広く知らせるべきなのか?

その選択を私たちはこれから迫られることになるでしょう。

 

ボイジャー達の未知への旅

話をボイジャーの旅に戻しますが、これまで、私たちは「太陽系の果て」を明確に描けるものだと思っていました。ある領域を超えたら、そこから先は、はるか宇宙。

しかし、2機の探査機はこの常識を覆したのです。

 

太陽系を包む『火の壁』

現在、ボイジャー1号は地球からおよそ240億キロの距離を航行中で、ボイジャー2号も約200億キロの彼方を飛行しています。

彼らがこの未知の宇宙領域に到達したとき、科学者たちの予想を超えるデータが送られてきました。

 

2機のボイジャーはともに、航行中の空間の粒子エネルギーが急激に上昇し、その温度はなんと5万度ほどにも達しているというデータを送ってきました。これは太陽表面のおよそ9倍にも近い高温です。

この発見から、太陽系が1つ巨大な“火の壁”に包まれているという表現が生まれましたが、実はここはほぼ真空に近い宇宙空間で、粒子のエネルギーは極めて高く、温度が非常に高い一方で、粒子その物の数は1立方センチメートルあたりにほんの数個から数十個程度で非常に少ないです。

したがって、たとえ粒子が高温でも、熱を効率よく物体に伝えるだけの“量”が決定的に足りないことから、実際には探査機が加熱されることはありません。

 

予想を超える太陽系の磁場

そして粒子の温度以外にも、ボイジャーはもうひとつ重要な発見をもたらしました。

それは、あの「火の壁」を通過する前後で観測された磁場の方向に、ほとんど変化が見られなかったという事実です。つまり、太陽系の内側にあった磁場と、外側、つまり星間空間にあるはずの磁場が、ほぼ同じ方向に伸びていたというのです。

この観測結果は従来の理論とは大きく食い違っていました。

これまでの宇宙モデルでは、探査機が「火の壁」を抜けて星間空間に入ると、そこでは星間の磁場が支配的となり、それからは太陽系の外になると考えられていました。

ところが実際には、磁場の向きは大きく変わりませんでした。むしろ、太陽の磁場が星間空間にまでそのまま“引き伸ばされている”かのような様子を見せていたのです。

 

この予想外の現象は、これまで私たちが考えていた太陽系の大きさを再計算する必要を迫りました。

ボイジャーのデータをもとにした最新の推定によれば、太陽の影響が及ぶ範囲、つまり太陽系の“本当の”境界は、太陽からおよそ5万から15万天文単位(AU)にまで達するとされています。

これはキロメートルに換算すると、約7.5兆から22.5兆キロメートルに相当します。

現在、ボイジャー1号は時速約6万1,500キロメートルという驚異的なスピードで飛行を続けていますが、これほどの速度でも、太陽系の外へ出るにはあと3〜4万年もかかると見積もられています。

この事実は、人類がどれだけ努力しても太陽系を出られないのではないかという悲観的な見方までもたらしました。

 

ボイジャー達の未来

ボイジャー1号と2号は永遠に動き続けることはありません。

電力の枯渇、機器の故障、通信システムの停止。どんな形であれ、ボイジャーの旅にはいずれ終わりが訪れます。

 

NASAは、2025年のどこかの時点で両機の電力供給が限界を迎え、すべてのシステムを維持できなくなると見込んでいます。そのとき、宇宙を駆けたこの二人の冒険者は、完全に沈黙し、地球との最後のつながりを絶たれることになるでしょう。

しかし、それで物語が終わるわけではありません。信号の発信が止まっても、ボイジャーたちは変わらず銀河を彷徨い続けます。

 

現在の軌道に基づけば、ボイジャー1号はおよそ4万年後にキリン座にある1つの恒星のそばを通過し、ボイジャー2号は約30万年後に「シリウス」というおおいぬ座の恒星の近くを通ると予測されています。

そして、彼らはこのまま、地球が滅びたその後の世界でも、数億年ものあいだ宇宙を漂い続けるでしょう。

 

ほんのわずかな可能性ですが、その時、本当に“誰か”が彼らを発見するのかもしれません。

 

それでは、本日もお読みいただきありがとうございました。